19世紀に18歳という若さでイギリス君主となった女性がいた。彼女の名は「ヴィクトリア女王」。7つの海を支配し、「太陽の沈まぬ国」とまで呼ばれる最強の国家へ導いた伝説の人物だ。しかし、もしあの日、恋に落ちなければ、偉業は成し遂げられなかったかもしれない――。今週のenvy(エンビー)は、イギリスの黄金時代を築いた女性と、彼女を支えた男性との美しすぎる愛を描いた映画「ヴィクトリア女王 世紀の愛」をクローズアップ!
イギリス君主の在位期間としては史上最長の64年間にわたって君臨したヴィクトリア女王。誰もが知っている彼女は、喪服を着た老人としての姿かもしれない。そんなヴィクトリア女王がひとりの女性として、イギリス国王として、最も輝いていた時代の知られざる日々と、その立役者であったアルバートとの愛の記録を描いたのが、12月26日公開の映画「ヴィクトリア女王 世紀の愛」。決して順風満々ではなかったの2人の愛の育み方を、「プラダを着た悪魔」でゴールデングローブ賞に輝いた名女優エミリー・ブラントと、「フライドと偏見」のイケメン俳優ルパート・フレンドが魅せてくれる。 |
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ヴィクトリア女王 世紀の愛 2009年12月26日(土)Bunkamuraル・シネマ、TOHOシネマズシャンテ他にて全国順次ロードショー/監督:ジャン=マルク・ヴァレ/脚本:ジュリアン・フェロウズ/製作:マーティン・スコセッシ、セーラ・ファーガソン/衣装:サンディ・パウエル/出演:エミリー・ブラント、ルパート・フレンド、ポール・ベタニー、ミランダ・リチャードソン、ジム・ブロードベント/上映時間:1時間42分/配給:ギャガ/(C)2008 GK Films, LLC All Rights Reserved
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1936年、時の王ウイリアムが病に倒れ、王位継承者だったヴィクトリアは、王室の権力争いに巻き込まれていた。次期女王の夫の地位を巡り、ヨーロッパ中の列強国の思惑が複雑に絡み合い、水面下で様々な工作が進められていた。実はいとこのアルバートも当初はそんな1人だった。イギリスを思い通りにしたいベルギー国王が、甥であるアルバートをヴィクトリアのもとへ送り込んだのだ。ところが、ヴィクトリアとアルバートは出会った瞬間、お互いにときめき、“本当の恋”に落ちてしまう。 | |
初めての出会いでお互いにときめいた2人。しかし、当時、女王への求婚は禁じられていたため、アルバートは次期女王であるヴィクトリアからの言葉を待つしかなかった。ヴィクトリアは女王になってから、幾多の危機に直面し、自分を利用しない唯一の存在であるアルバートにプロポーズした。 |
1840年、ヴィクトリア女王とアルバートは晴れて結婚する。華々しく、そして幸せそうな表情を見せる2人のロイヤルウェディングに、イギリス国民は熱狂した。輝く純白のウェディングドレスに身を包んだヴィクトリア女王は、当時の女性の憧れの的となった。しかし、3日間の愛に満ちた結婚休暇を過ごした2人に、マスコミが書き立てるスキャンダル、それに怒る国民の暴動など、幾多の試練が待ち受けていた――。 | |
この頃の上流階級のウェディングドレスは色が濃く、金や銀の糸などで装飾したゴージャスなものが多かったが、ヴィクトリア女王は「純潔」を表すために、乳白色のシルクサテンで作ったドレスを着用。それが庶民に広まり、ウェディングドレス=白というイメージが出来上がったという。 |
アルバートはドイツ人だったため、必ずしもイギリスの各層から信頼されていたわけではなかった。しかし、英語やイギリスの政治・文化を必死に学び、次第に評価されるようになっていく。当初はアルバートからの統治に関するアドバイスに反発したヴィクトリア女王も、やがて愛ゆえの指摘と受け入れるようになり、危機に直面するたびアルバートに支えられ、イギリスの最盛期を築いた。また、私生活では9人の子供を授かり、愛情いっぱいのロイヤルファミリーの暮らしぶりは、イギリス国民の道徳モデルとさえいわれた。 | |
理想のカップルの終焉は1861年。アルバートが病のため先立ったのだ。この日を境に、ヴィクトリア女王の装いは喪服となり、81歳でこの世を去るまで変わることがなかった。そのためイギリスでは、喪服に合う黒いジュエリーが流行した。 | |
1819年生まれ。37年に18歳でイギリス女王となり、40年にいとこで同年齢のアルバート王子と結婚。四男五女の子宝に恵まれ、夫と共にイギリス最盛期といわれるヴィクトリア朝を築いた。61年にアルバートに先立たれた後も、自らが死去する1901年まで君主の座にとどまった。 |
演技派女優として観る者を惹きつけるエミリー・ブラント。彼女は今回、ヴィクトリア女王を演じるにあたって、女王が残した情報を出来る限りチェックしたという。 |
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